8月になりました。
いよいよ夏本番を迎え、30℃台後半の気温が 当たり前になってきましたが、皆様体調はいかがでしょうか?
随分早く梅雨明けした割に、その後は天気のグズつく日が続いて居りましたが、やっぱり夏休みの時期になればちゃんと暑くなるんですね。当院の周りでは連日、セミたちの大合唱が流れて居ります。(苦笑)
さて、今回の写真は施餓鬼の「招き旗(まねきばた)」と呼ばれるものです。 結構な高さがありますので下の国道辺りからもご覧頂けるかと思います。 風に吹かれて、よく絡まってしまうのですが、これが立ち上がると、あぁ、今年も『おせがき』の時季が来たんだなぁ…、と感慨深いものがあります。
ここからお寺の行事に関するお話になりますが、おもにお盆の時期に合わせて、全国各地のお寺で施餓鬼法要が営まれます。
奥藏寺では毎年8月17日の晩にお勤めを致して居りますが、それに先立ち、間もなくお勤めがあることを広く知らせる意味で、この「招き旗」が上げられます。当方では大体7月末~8月頭頃に、人力で立てて居ります。
では「おせがき」って何ぞや?という話ですが、その字が表す通り『餓鬼へ施す』ことがのお勤めの中心であり、その功徳を先祖の追善に向ける(向かわしめる)のが施餓鬼法要ということになります。
また、施餓鬼の回向文(えこうもん・言わば法要の説明文のようなものです)をよ~く聞くと、途中に「有縁無縁…」という文言が出てくるのに気付くかと思います。つまり(子孫や供養する人が居る)有縁の佛さまだけでなく、供養する人が絶えた方や人知れず亡くなられた方など、一般に無縁佛と言われる方々、また事故や災害、あるいは戦争などで行方すら分からなくなってしまった方々、更に言えば、人間に限らず動物や虫に至るまで、かつて生縁を受けた諸々の精霊を一年に一度くらいは供養しよう、という想いがそこにあるんですね。
そう考えると、決して“無縁”ではない、とも言えるかも知れませんし、最近は様々な場面で「シェア」という言葉を聞くようになりましたが、遠い昔から「分け合う」という営みがお盆の行事を通じて為されてきたんですね。
とはいえ諸説ありますので、ひとつの考え方としてご理解頂ければと思いますが、8月は6日・広島と9日・長崎の両原爆忌があり、更には12日の日航ジャンボ機事故、そして15日の終戦記念日と、日本人にとって「命」というものを考えるさせられる月のようにも感じます。お盆行事が「他を思いやる」ことのきっかけになれば良いなぁ…と思いつつ、どうぞ皆様この夏を元気にお過ごし頂ければ幸いに思います。少し説教臭い内容になりましたが、また「おせがき」が済みましたら、供養の設えの写真など、アップ出来ればと思って居ります。
尚、カレンダーにも記載してございますが、おせがきの実施に伴い、当院では17日(水)と18日(木)の両日はお休みを頂いて居ります。
また、16日(火)は短縮営業(午後3時で終業)となって居りますので、どうぞご承知置き下さい。
今回は少々長くなりましたが、この辺で…。